体幹の重要性〜身体質量中心からの考察〜
みなさん今回も宜しくお願いします。
今回は身体質量中心の観点から考えていきたいと思います。
まず身体質量中心とは何ぞや?ということなんですが、
言葉のままの意味で質量の中心になるのでその点を中心に物体が回転を起こすわけですね。
まぁ簡単に言うと身体重心とほぼ同じ意味と考えていただいていいと思います。
身体は基本的に頭部、肩甲帯・上肢、胸郭・胸椎、骨盤・腰椎、下肢と大きく分けることができます。
重心というと一般的に言われているのが仙骨、詳しく言うと第2仙椎の前方にあると言われております。
でも実際は身体の各部位にはそれぞれ重心があるわけなんですが、「重心」という言葉を使ってしまうとなんか「体の真ん中」とうイメージがついてしまうと思うのでここでは「質量中心」と表現していきます。
質量中心は先ほど分けた部位以上にさらに細かく分けることも可能なのでヒトの身体には質量中心はものすごい沢山あるわけです。
ちなみに余談ですが、よく僕たちが行う関節可動域拡大運動で他動的に関節を動かすことがあると思いますが
その時に動かす関節を構成している物体。例えば股関節の屈曲であれば骨盤に対して大腿骨、下腿・足部が動くと思いますがその大腿骨、下腿の質量の中心を把持した状態で動かすのと質量中心から外れた部位を把持した状態で動かすのでは相手の四肢の緊張具合が全然違うことがわかると思いますので一度自身の関節可動域拡大運動を確認してみてください。
話がそれましたので戻します
その多数ある質量中心の中で重要になってくるのが「上半身質量中心」と「下半身質量中心」になると思います。
なぜこれが重要かというと、一般的にこの2つの質量中心を結んだ線の中点が身体重心とほぼ同じ位置になるからです。
これは臨床上でもとても重要で、先ほど言ったような身体重心の位置S2の前方に身体重心はあると言われていますが、姿勢観察や動作観察をするときには実際毎回S2の高さを視覚的に追うことは難しいんじゃないかなと思います。
(ただ私の観察能力の不足も大きな原因だと思います)
しかしこの上半身質量中心と下半身質量中心を結ぶ線の中点でみれば比較的動作観察の中でも確認しやすいですし、もし写真や動画を撮ったときにも特別マーキングをしなくてもおおよその重心の位置を確認することができます。
その上半身と下半身の質量中心はどこにあるの? ということなんですが、
上半身質量中心は第7〜9の胸椎に、下半身質量中心は大腿の中上2/3と1/2との間にあると言われています。
この話だけでも体幹の重要性が分かるかなと思うんですが
それだけではありません
私たちが身体を動かす際に身体重心の移動は常に起こると思いますが
私たちは基本直立二足歩行で移動しているため下肢は常時地面に接しています。
なので下半身の質量中心は普段大きく動くことはあまりありませんが、身体重心が常時動いていることを考えると下半身の質量中心が動かない分、上半身の質量中心は常時動いていると考えられます。
そのため上半身質量中心の動き=身体重心の動きと考えてもさほど問題がないということになります。
このことから上半身質量中心の周囲の組織の状態がそのまま身体重心の動きに関係してくると言えるため体幹周囲の状態がとても大事になっていくるというわけです。
今回は質量の話から体幹の重要性をお話しさせていただきました。
いかがだったでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。