体幹の重要性〜筋膜の連続性から考察2〜
お疲れ様です。
今回も宜しくお願いします。
前回は筋膜の連続性からの体幹の重要性を考察してみました。
本日も筋膜の観点からの体幹の重要性を勉強していきたいと思います。
今回は筋膜のラインではなく、一つの筋膜についてまとめてみました。
私たちが下肢からの荷重を伝達するために必要な筋膜が存在します。
その筋膜というのが「胸腰筋膜」という筋膜です。
この筋膜ですが浅層、(中葉)、深層と分けられています。
浅層、深層に関しては資料によっては前葉、後葉と表記されているものおもあるようです。
解剖学的な話からさせていただきますと
まず浅層についてですが
これは広背筋、大臀筋、外腹斜筋、僧帽筋の一部と連続性を有しています。
(外腹斜筋、僧帽筋に関しては少量の繊維のみとの報告もあるようですね)
特徴としては反対側に交叉しており、対側の仙骨、PSIS、腸骨稜に付着しています。
交叉する高さは様々でL4の尾側であったり、L2.3であったりするようで明確化はされていません。
仙骨には外側縫線と広背筋筋膜から生じた繊維と融合します。
広背筋と大臀筋の筋繊維は異なる方向に走っているためL4.5(一部はL5、S1)で十字に交差した網上線を呈しています。
次に深層です
これは頭内側から尾外側に走行しており、仙骨レベルで浅層と融合しています。
腰椎領域では棘間靭帯より生じ、腸骨稜と頭側の内腹斜筋が停止する外側縫線に付着しています。
骨盤領域ではPSIS、腸骨稜、長後仙腸靭帯と結合し、正中仙骨稜と上後腸骨稜と下後腸骨稜の間の陥凹部で脊柱起立筋筋膜と融合します。
なんだか自分でまとめていてなんですけど
やはり解剖学になると文章を暗記しているみたいでスムーズに頭に入ってこないですね(笑
個人的に重要な点としては「浅層で広背筋と対側の大臀筋が胸腰筋膜を介して接続している」という点でしょうか。
このことから上肢・下肢で生じた問題が体幹を通して対側に伝達する可能性が考えられますし、
胸腰筋膜の柔軟性の低下などの問題が上肢・対側下肢やその逆のパターンで影響を及ぼす可能性が考えられますね。
続いて胸腰筋膜の作用について簡単ですが述べていきたいと思います。
まず大事な作用として大臀筋と広背筋と腹横筋尾側繊維と内腹斜筋の連結作用が仙腸関節へ垂直方向の力を発生させることが挙げられます。
このことにより仙腸関節が安定し下肢からの荷重をより伝達しやすい状態にしていると考えられます。
他には胸腰筋膜の中葉には腹横筋が付着しているのですが、
この中葉が腰椎の横突起に付着しています。
図で表すとこんな感じです。
(ネットにいい図が落ちてなかったんで手書きですいません)
これで腹横筋が収縮すると横突起から腰椎を垂直方向に圧縮し、腰椎をより安定させることになります。
腰椎が安定することも下肢からの荷重を伝達する上で重要な因子であると考えられますね。
体幹を伸展位に保持する筋に関しても胸腰筋膜の重要性が見られます。
脊柱起立筋、多裂筋の収縮が直接的に牽引し、間接的に深層を拡張します。
この筋膜包膜が緊張することで脊柱起立筋・多裂筋の収縮がより効率的になると言われています。
またこの包膜が緊張することで接続している遠位の筋の収縮も効率的に行われるのではないかと考えられます。
今回も手書きの図で申し訳ありませんが表してみます。
今回はこの胸腰筋膜一つに絞ってまとめてみましたが
この胸腰筋膜は様々な筋と連結しており、作用もかなり多岐にわたっています。
正直全然まとまりませんでした。
ただ共通していることとしては胸腰筋膜の緊張は「対側に伝達すること」と「仙腸関節、腰椎を安定させる」ということはなんとなくわかった気がします。
対側に張力が伝達することに関しては今後臨床において、応用が効くような感じがします。
例えば広背筋と繋がりがあるような上肢後面や大臀筋と繋がっている下肢後面・外側の筋の柔軟性の低下は広背筋・大臀筋を介して対側に影響を及ぼす可能性があります。
また胸腰筋膜が固まっている場合などではこれの遠位の筋全てに張力伝達の異常が起こる可能性が考えられます。
今回は以上になります。
前回と今回の資料は竹井 仁先生が監訳された「人体の張力ネットワーク膜・筋膜」を参考にさせていただきました。
筋膜のこと以外にも「膜」に関することが様々な知見をもとにまとめているのでより深く知っていいきたいという方は一読してみてはいかがでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回も宜しくお願いします。